Workplaceを利用した人材採用
「Workplace for HR」シリーズの2つ目の記事では、新しい人材の発掘と採用のためのシンプルで実用的な手順について説明します。
最近開発されたWorkplace for HRは、人事担当者が社員のライフサイクル全体にもたらす価値に着目した新しいフレームワークです。このフレームワークは、企業文化の変化のフロントラインにいるのは人事部であるという認識に基づき開発されました。また、Workplaceが従業員体験の向上に役立つというMetaの確信の表れでもあります。
Workplaceで業務を簡素化
オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。
平均的な社員は、テクノロジーのスピードが遅いことが原因で、1日あたり最大40分の作業時間を無駄にしています。これは年間に換算すると170時間以上になります。このうち、どのくらいの時間が採用候補者の履歴書の検索や、面接のスケジュール設定、給与明細の確認、アンケートへの記入などに費やされているでしょうか。
より適切で迅速な採用プロセス
これらのプロセスをより速く、より簡単に、より充実したものにできるとしたらどうなるでしょうか。そのような変化をシンプルで使い慣れたツールで実現させたいときに利用できるのがWorkplaceです。そしてWorkplaceは、社員のライフサイクルの最初の段階、つまり人材採用の時点から活用できます。
人材採用は組織全体として取り組むべき課題です。Metaの場合、個々の人脈を通じて新たな人材を発掘する責務を追うことが、社員一人ひとりに期待されています。実際にエンジニアは全員、半年ごとのパフォーマンスレビューで人材採用パイプラインへの貢献度が評価されます。Metaでは人材採用をそれほど重要視しています。
Workplaceは、より迅速な対応、透明性の向上、ベストプラクティスの共有、そして面接から内定までの時間の短縮を実現しました。急成長中の企業にとっては、スピードこそが重要です。このブログでは、シンプルで実用的、かつ実行可能なステップをいくつか紹介します。
ここでは人材採用プロセス全体を6つの分野に分けて説明します。
人事採用のためのWorkplace
グループでの人員計画
最寄りのハローワークに行き、手当たり次第に人材を引き抜くことは残念ながらできません。人員計画は優れた人材採用プロセスを築くうえでの要になります。しかし、これは容易なことではありません。なぜなら、人事・人材採用の担当者だけでなく、財務、法務、設備部門の担当者を一堂に招集して会議を開く必要があるからです。大勢の担当者が参加する会議は窮屈なだけでなく意思疎通も困難です。
Workplaceなら、こうした問題を解消できます。非公開グループを作り、「戦略的人員計画」などのわかりやすい名前を付けて関係者を追加するだけで、すぐにスタートできます。もうスケジュール調整や招待状の送付、タイムゾーンの違いなどに悩まされることはありません。職務記述書や予算計画書を投稿することもできます。フィードバックのコメントはネスト化されるため、スレッドを見失うことがありません。人数の確認や承認なども、すべてを1か所で実施できます。
グループを利用することで、背景情報の提供、透明性の向上、情報の共有、プロセスのスリム化、意思決定の加速を実現できます。これにより、優秀な人材の発掘を滞りなく行うことができます。
Workplaceグループで人材採用
ライブ動画やイベントを利用した人材ソーシング
優秀な人材を見つけられなければ、採用することはできません。そのため、幅広い分野から優秀な人材をパイプラインに集めるためにあらゆる手段を講じることには価値があります。
ただし、分野ごとに分けることも有益です。スキル別(例: iOS、SQL、Java)や部門別(例: エンジニアリング、マーケティング、営業)に人材採用グループを作成することから始めて、各分野でつながりを持つ社員が人材採用に貢献できるようにします。ソーシングに関するベストプラクティス(LinkedInでのブール検索の方法など)や、エンゲージメントに関する原則(社員が認識しておかなければならない法律上のあらゆる問題など)を掲載した投稿を作成し、固定しておきます。
基本をおさえたら、そこからは独創性を発揮しましょう。Metaでは、チームメンバーが集まり、自分の知り合いを徹底的に見直して潜在的な人材を発掘する「集中的なソーシングセッション」を定期的に実施しています。ただし、チームが社内で分散している場合や社員がリモートで働いている場合は、このようなセッションの実施は簡単ではありません。モチベーションを高めるには動画が最適です。「集中的なソーシングセッション」をリードする人が自らライブ配信をし、チームのほかのメンバーはそれをフォローしながらコメントやフィードバックを共有できます。
さらにインパクトがあるのは実際のライブイベントです。イベント機能を使ってWorkplace上で企画を行い、リクルーターや採用担当者から他の社員まで、時間と専門知識を提供してくれる関係者を招待することができます。
グループ、ライブ動画、イベントを利用すると、共有が促され、全員がリクルーターとなって、組織全体で平等に情報を分けあうことができます。
Workplaceグループでさらに多くの人材を採用
採用先部署のマネージャのコミュニティを形成
細かい手続きはリクルーターが行いますが、優秀な人材を獲得するには採用先部署のマネージャの組織的な協力と高い意欲が欠かせません。最終的にリスクの大半を負うのは採用先部署のマネージャになるのですから、当然といえば当然です。そのため、各マネージャが人材採用プロセス全体を通して関与し、そのフィードバックを得られる状態にしておく必要があります。
まず、採用先部署のマネージャたちがリクルーターやソーシング担当者と連携するためのグループを作成します。日常的なニーズについては、情報や回答をすばやく共有できるWorkplaceチャットグループを利用できます。また、スキルや職種ごとに面接グループを作成し(作成したソーシンググループにマッチさせるか、ソーシンググループ自体を使うこともできます)、採用先部署のマネージャと面接官がよくある質問と回答に関するフィードバックやヒントを共有できるようにしても便利です。
どのようにするにしても、人材採用全般に関するフィードバックグループを作成して、関係者の誰もが人材採用プロセスの各側面に対して意見や助言ができる場を整えるようにします。人々の知恵や知識は、強力なツールとして活用できるにもかかわらず、その存在を見過ごされがちです。
人材採用のフィードバックグループ
統合でスマートなダッシュボードを実現
採用パイプラインの状況をトラッキングするのは大変な作業ですが、非常に重要なタスクです。統合を利用して手作業をなくしていくことで、大変な作業の一部を自動化します。
SmartsheetやJiraといったツールを使用すると、部門ごとの求人数、採用済みの職種、候補者のステージなどの採用パイプラインデータを整理できます。Workplaceチャットでお知らせを設定して、必要なアラート(例: 候補者の面接ステージの変更など)を受信できます。Workplaceチャットで重要なプロセスステップを確認、承認することも可能です。
グループを使って面接を管理
この時点で、すでにグループの使い方はマスターできていると思いますが、さらに別の方法でグループを活用してみましょう。1つの職種につき1つのグループを作成し、リクルーター、採用先部署のマネージャ、面接官の全員が1か所で必要な情報にアクセスできるようにすることをお勧めします。
これは、各人材採用プロセスのミッションコントロールグループのようなイメージです。候補者の履歴書、職務記述書、面接の質問集を投稿して面接官の準備・調整をサポートします。透明性を確保し、リーダーが人材採用プロセスにおける優先順位の方針を示す機会を設けます。
Metaでは、Workplaceチャットボットを利用して、面接の日程調整、応募受付時の定型文やリマインダーの送信を自動化しています。同様のカスタム統合を検討してみましょう。Workplaceにはこのようなソリューションを提供できるパートナーが多数います。
ボットを使った面接管理
会社間グループを使った候補者管理
これまでに作成したグループはすべて同じ社内の人たちで使うものです。しかしWorkplaceでは、社外の人を共有スペースに招待することもできます。この共有スペースは会社間グループと呼ばれ、候補者との連絡を管理するのに便利です。
このグループへの招待に必要なのは個人用メールアドレスだけです。このグループに参加してもらえば、面接日程の調整、有用なリソースの提供、動画のシェア、候補者との連絡を一元管理できます。
採用を管理するための会社間グループ
非公開グループを介した採用通知
採用通知は人材採用プロセスの重要な位置を占めます。また、常に機密扱いとなる情報でもあります。
非公開グループは機密情報を扱うのに最適です。社員なら誰でも非公開グループに追加できますが、このグループへの投稿はグループメンバーのみが閲覧できます。「非公開」グループを使用して給与・福利厚生チームを招待し、プライバシーが保護された環境で、ベストプラクティスやガイドラインについて安心して話し合えるようにします。関連のHRビジネスパートナーを追加して、給与と福利厚生に関連する重要な最新情報をシェアします。
最後に、「秘密」の部門間グループを作成し、Offer@のような名称にします。人事部、リクルーター、採用先部署のマネージャ、ビジネスリード、ダイバーシティリード(社内にいる場合)をグループに招待します。このように、機密情報を小規模なグループで安全にシェアすることにより、情報に基づいた決定を行い、採用を競合他社よりもいち早く成立させることができます。
以下は、Workplaceの活用方法のまとめです。
- リクルーターや社員の紹介を通して優秀な人材をまとめてソーシングする
- 関係者全員をつなげて採用にかかる時間を大幅に短縮する
- リクルーターと採用先部署のマネージャのフィードバックループをWorkplace上で完結させて、採用の質を向上する
- 人材採用に関するデータを測定、モニタリング、シェアする
著者について: Sameer Chowdhriは、Workplace for HRのグローバルリーダーです。人事畑で培った20年の経験をもとに、Workplaceを利用するデジタルHRのエキスパートに対し、文化的な変革と仕事の未来について助言し、従業員体験に人間味を与えています。